かなしそうな顔3
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[5:かなしそうな顔]
「今日は本当にありがとう」
ホテルの前まで送ってくれたシュバルツに笑いかけて、
自分の気持ちを押さえるようにスカートを右手で握り締める。
「こちらこそ。楽しかった」
そっと微笑まれる瞳に溢れそうになる気持ちを必死に堪える。
明日は敵同士になってしまうかもしれない人。
決して気持ちを打ち明けてはいけない人。
わかっているのに気持ちが止めることが出来ないのは、
誰よりも側にいて欲しい存在だからなのかもしれない。
今の現状を怨んでしまっても仕方ない事はわかっている。
GFがなければ出会わなかったかもしれない。
でも、GFがなければもっと別の出会い方が出来ていたかもしれないなんて。
そんな事を考える事自体間違っている事は知っていたが、
悔しさと悲しさに涙が溢れてくるのを止められなかった。
「…レイン」
「さようなら!」
だから、せめて精一杯笑顔で言いたかった。
泣いてしまえばシュバルツが困る事はわかっていたから。
何度願ったとしても叶わない事など、わかっていたから。
「お互い、頑張りましょうね」
何か言われたらきっと泣いてしまう。
かなしそうな顔で見送りたくなんてなくて。
精一杯の笑顔で小さく手を振った。
「…あぁ、頑張ろう…」
全てを理解したように頷いたシュバルツは、
一瞬だけレインに伸ばそうとした掌を強く握って。
「おやすみ」
風のように消えていってしまった。
静けさだけが残る夜空を見上げて、レインは大きく息を吐き出した。
「さよなら…シュバルツ」
ちゃんと笑顔で言えた。
涙なんて見せないように頑張ったから。
「明日からは笑顔で頑張るから…今だけは…」
泣いてもいいわよね、と呟いて。
そっと瞳を閉じた。
END
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誰よりも好きなのに打ち明けられない。
お互い一緒にいたいと思うのに出来ない辛さ。
シュバルツとレインの恋はそんな気がします。
というか、設定的に無茶が、、、(苦笑
アレンビー誘拐事件がなかったらって事で(大汗
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