お見舞いに行こう

   *********


   阿「あれ?三橋は来てないのか?」(日課の三橋チェック

   田「そうなんだよー!なんか風邪で休みなんだって!」

   阿「風邪!?」

   花「今の時期一番風邪ひきやすいからな〜」(汗

   田「明日日曜で部活昼からだろ?みんなで見舞にでも行ってやるか!」

   花「そうだな。心配だし…」

   阿「馬鹿言うな!」

   花「な、なんだよ、急に!」(ビビリ

   田「なんだよ!阿部は心配じゃないのかよー!」

   阿「風邪なんてひく奴が悪いんだ!そんな馬鹿の見舞いなんて行かなくていいよ」

   花「お前、それはひどいんじゃねぇ?」

   阿「ひどくない。そんな奴の見舞いなんてオレ一人で充分だ!」

   花「は?」

   阿「まぁ、オレは一応バッテリー組んでるんだし、見舞いに行ってやるよ。
     でもお前らは行かなくていいよ。風邪うつされたら問題外だからな」

   花(それって…単に二人きりになりたいだけなんじゃ…・汗)

   田「ほんっと阿部って独占欲の塊だなー」

   阿「独占欲じゃない!風邪なんてひく馬鹿にカツ入れに行くだけだ!」

   田「素直じゃないなー」

   浜「何なに?何の話?」

   田「あ、浜田」

   花「三橋の見舞いの話だよ」

   浜「あぁ、オレ行くぜ?」

   阿「何!?」

   花(あぁ、またややこしい事に・涙)

   浜「だって心配だし。応援団長としては行かなきゃって感じじゃん?」

   阿「浜田は行かなくていいよ」(アッサリ

   浜「何でだよ」(ムッ

   花(な、何言い出すんだよ!)

   阿「三橋にはオレがいるし」

   浜「なっ!」

   花(言っちゃったー!・爆)

   田「花井、何百面相してるんだ?」

   花「…聞かないでくれ」(涙

   浜「…とにかく、オレは行くから」

   阿「何だと?」(ムカッ

   浜「アイツも待ってるだろうしな!じゃあな!」

   バタバタバタ

   阿「お、おい!…あの野郎」

   花(何事も起こりませんように・祈)

   部活終了後

   阿「お先」

   栄「ぅえ!?阿部着替えるの早っ」

   阿「オレの人生がかかってるんだ!」

   栄「は!?」

   バタバタバタ

   栄「何?どうしたの、アレ」(呆然

   花「何もツッコまないでやってくれ」(涙

   *****

   阿「あ」

   浜「あ」

   阿「…」

   浜「…」

   スタスタスタ

   阿「帰り道逆じゃないのか?」

   浜「自分だって違うだろ」

   スタスタスタ

   阿「三橋のお見舞いはオレが行くんだ」

   浜「残念。そんな法律ないよー」

   スタスタスタスタ…

   ガッ!

   ぴんぽ〜ん


   母「はーい。あら?野球部の…」

   阿「こんばんわ!三橋君の」

   浜「お見舞いに来ました〜!」

   母「アラアラ、嬉しい!きっとうちの子も喜ぶわ〜!どうぞ上がって」

   阿「お邪魔します」

   浜「お邪魔しまーす」

   ガチャ

   母「廉ー、お友達がお見舞いに来てくれたわよ」

   三「え?ぇえ!?」(ビックリ

   阿「三橋、大丈夫か?」

   浜「心配したんだぞ?」

   三「あ、阿部君…に、ハマ…ちゃん!」

   母「ごめんなさいね。せっかく来てくれたのに
     今から夜勤で行かなきゃいけないのよぉ。何のお構いも出来なくて…」

   阿「いぇ、オレらが勝手に来ただけですから」(キリッ

   浜「気にせず頑張って来て下さいね!」(スマイル

   母「嫌だわ、野球部ってこんな素敵な子達ばかりなのかしら!
     おばちゃんドキドキしちゃう☆」

   三「お、母さん」(汗

   母「あら、もう行かなきゃ。じゃあ、ゆっくりしていってね。
     泊まってくれてもいいからね」

   阿「ありがとうございます」

   浜「行ってらっしゃいマセ!」

   バタバタバタ

   三「あ、あの、ありが…」(照

   阿「…の馬鹿!」

   三「ひょ!?」

   浜「おい!」

   阿「一日練習しないだけで三日しないのと同じだけ身体は衰えるんだぞ!?
     それなのに風邪なんてひきやがって…」

   三「ご、ごめっ!」(涙

   浜「お前、病人に対してその言い草はないだろ!?」

   阿「うるさい!これはオレと三橋の問題なんだ!」

   浜「そんなの関係あるか!それ以上ミハシに何か厭味言う気なら追い出すぞ!」

   阿「厭味!?オレはこいつの事を思って言ってんだよ!」

   三「あ、あの…」(汗

   浜「ミハシの事を思うならまず怒るより心配してやるべきだろ!」

   阿「…!お前に何がわかるんだ!」(キレ

   三「ハ、ハマちゃ、ん!あ、阿部君、の言う、通り…だから!
     野球部の、みんな、の為にも、しっかりしなきゃ…なのに…」

   浜「ミハシ…」

   三「阿部、君…ごめん…ね…」(涙

   阿「…オレは唯、お前がいないと落ち着かない…だけだ…」

   三「…うん」

   浜「…わかったよ。だからもう泣くな。な?」

   三「ハマ、ちゃん…」

   浜「そうだ!お前の為に卵酒作ってやるよ」

   三「ほ、ほんと!?」

   浜「とびきり旨いの作ってやるからな」(ナデナデ

   三「う、うん!」

   阿「オ、オレは…」(汗

   浜「あ、いいぜ。どうせ料理なんて出来ないんだろ?オレが作るし」(サラリ

   阿「(ムカッ)な、何か作るよ!」

   三「べ、別に…」

   阿「いいな!」

   三「は、はい!」

   浜「じゃあゆっくり寝てるんだぞ」

   数十分後

   浜「旨いか?」

   三「う、うん!すっごく、おいしい、よ!」(感激

   浜「ミハシが喜んでくれてよかったよ」

   三「ありが、と」

   浜「しっかり旨いもん食べてしっかり治すんだぞ?
     …間違ってもあんなのは食うんじゃないぞ」

   三「う…」(汗

   阿「あ、あんなのとは何だ!」(爆

   浜「なんで雑炊が真っ黒になるんだよ」

   阿「し、仕方ないだろ!料理なんてした事ないんだから!」

   浜「だから止めとけって言ったのに…」

   三「た、食べる、よ!?」

   浜「駄目だ。ひどくなりたくないだろ?」

   阿「…今回だけは同感だ」(汗

   さらに数十分後

   三「ごちそう、さま、でした」

   浜「よしよし。ゆっくり寝るんだぞ」

   三「あ…で、でも…」

   阿「ん?どうした?」

   三「着替え、たい」

   浜「あ〜、汗かいてるだろうしな」

   阿「ならついでに身体拭いてやろうか?」

   浜「なっ!」

   三「え、ぇえ!?じ、自分で、やる、よ」(なんとなく照れ

   阿「馬鹿。病人が遠慮すんな」

   三「で、でも…」

   浜「ちょっと待てよ」(慌

   阿「濡れタオルもあるし」(用意周到

   三「う、じ、じゃあ…おね、がい…しま、す」

   阿「了解。ってわけで浜田出ていけ」(命令系

   浜「はぁっ!?」

   阿「何してんだよ。三橋が脱ぐんだから出ていけって言ってんだよ」

   浜「何でオレが出ていかなきゃいけないんだよ!」

   三「べ、別に、いても…」(汗

   阿「駄目だ、減る。さ、三橋着替えるぞ」

   浜「お前の邪な目に曝された方が減るだろ!…オレがやる」

   阿「何!?」

   浜「ほらミハシ、万歳してみろ」

   三「う、うん」

   脱ぎ脱ぎ

   阿「…」

   浜「…」

   三「ふ、二人、とも…どうし、たの?(寒い」

   阿「な、何でもない!」(真っ赤

   浜「そそそうさ!何でもないぞ!」(真っ赤

   三「…?」

   阿「じ、じゃあ身体拭くか」(照

   三「う、うん」

   浜「い、いや、だからオレがやるって」

   阿「はぁ!?何寝言言ってるんだよ」

   三「あ、あの…」

   浜「お前変な事考えてそうで任せらんない」

   阿「それはお前だろ!変態!」

   浜「なんだと!このムッツリ!」

   三「二人…とも…」(汗

   阿「いいか?この際だから言っておく!
     投手と捕手は一心同体、夫婦みたいなもんなんだよ!
     こうしてお互いの距離を縮めるのも必要なんだよ」(無茶苦茶

   三「あ、阿部君…?」

   浜「ふん!何の距離を縮めようとしてるのやら。
     それを言うならオレだって応援団長として
     選手が一日でも早く治るように貢献する義務があるんだよ!」(勘違い

   三「ハ、ハマちゃん?」

   阿「オレだ!」

   浜「オレだ!」

   三「あ、あの…」

   阿・浜『お前はどっちがいいんだ!』

   三「へぇ!?も、もう…どっち、でも…い…ぃ」

   バタリ

   阿「み、三橋!?」

   浜「す、すごい熱だ!」(汗

   阿「とりあえず急いで身体拭いて着替えさせるんだ!ほら、タオル」

   浜「あ、あぁ」

   拭き拭き

   ゴソゴソ


   浜「三橋…」

   阿「上半身裸のまま放置してたから…」

   浜「…だからオレがやるって言ったのに」

   阿「何!?それはこっちの台詞だ!」

   三「う、う〜ん…」

   浜「…」

   阿「…」

   浜「違うよな」

   阿「オレらの勝手な意地の張り合いに巻き込んじまったんだ…」

   浜「…ごめんな、ミハシ」(ナデナデ

   阿「…悪かったな」

   浜「え?」

   阿「意地になっちまって悪かった。お前だって、三橋を心配してるんだもんな」

   浜「…いやに素直だな」

   阿「!オレが下手に出てるってのに…」(真っ赤

   浜「オレも悪かったよ。ミハシの事になると何でか必死になっちまうんだ」

   阿「…ふん」

   浜「…へっ」

   三「…べ…君…ハ…ちゃ…ん…」

   阿「三橋…」

   浜「お互い、苦労するな」

   阿「こいつ鈍感だから」

   浜「そんなトコが可愛いんだけど」

   阿「ウジウジしてて泣き虫で腹立つくらい…好きなんだよな…」

   浜「同感」

   次の日

   三「う、ぅん…あれ、阿部…君と、ハマ、ちゃん」

   阿「起きたか?」

   浜「熱は…ん、下がってるな」

   三「ずっと…起きて、くれて…たの?」

   浜「オレらのせいで上げなくてもいい熱上げちゃったからな」

   阿「悪かったな、三橋」

   三「う、うぅん!いい、そんな、の!あ、りがとう」

   浜「さて、じゃあオレらは練習行くか!」

   三「え!?だだだ大丈、夫?」(汗

   阿「馬鹿。そんなハンパな鍛え方してねぇよ」

   三「でも…」

   浜「あ、お前はもう一日寝とけよ!」

   三「い、行く、よ!」

   阿「駄目だ」

   三「で、でも、もう大丈夫、だし」(汗

   阿「練習したい気持ちはわかる。でも今は完璧に治す事だけ考えるんだ」

   三「…ん」

   阿「早く良くなってくれなきゃ心配で何も手につかないんだよ」

   三「え?」

   浜「お前の事ばっかり考えちまうだろ?」

   三「えぇ!?」

   阿「じゃあな、しっかり寝てろよ」

   浜「行ってくっから」

   三「え??う、うん!」(汗

   阿・浜『愛してるぜ!』

   三「え?ぅええええ!?」(大汗

   その日、三橋君は余計高熱でうなされましたとさ☆

   おわり

   *********


   M様へ送ったお見舞いの(一応)アベミハ。
   もうなんか浜ちゃん別人でゴメンナサイ(汗
   やっぱりハマミハというより浜ちゃんはお兄ちゃんて感じだな。
   ってゆーか、キャラも掴めてないのに書くもんじゃないと思いました(死

モドル